蒼穹のファフナー EXODUS 第20話 戦士の帰還 の問題点

神回続きの蒼穹のファフナーEXODUSにおいて、第20話が看過できない低クオリティとなってしまっている件についての解説



絵自体は問題無くいつも通りのハイクオリティと言えるが、絵コンテ・演出が台無しにしてしまっている
まず映像の使い回しがあること、それにカットの繋ぎ、配置が雑で、描写するべきシーンの取捨選択を放棄しているため時間経過が極めて不自然になっており、そのため緊張感を演出できていない
はっきり言って演出とは呼べない素人レベルの絵コンテであり、正直なぜコレでゴーサインを出してしまったのか理解に苦しむ(絵コンテに本作メカデザイナー鷲尾直広がクレジットされているのが原因か? 連名の矢薙じょう、演出の矢野孝典は本作初参加のようだが・・・)



AパートからBパートのウォーカー消滅まで全226カット(たぶんね)を順番に並べて解説します


↑問題の使い回しツクヨミハイパーシールド
それと美三香の「うおおお」だが、口が見えないから難しいってのは分かるけど、もうちょっとなんとかならなかったのか・・・ 1枚絵を拡大していくというのはアニメーションで一番やってはいけない種類の手抜き





↑使い回しその2マークドライのトルーパー召喚
厳密にはトルーパーの数が違うので完全な使い回しではないが、場所もアングルも完全に同じなので、並べて見比べるでもしない限りは同じに見える ツクヨミシールドと同じくせっかくの3DCGカットなのだから、せめてアングルを変えるぐらいはしてほしいのだが・・・





さて問題はここから
ここまではまだそれほど戦闘域が分散しておらず違和感なく見ていられるが、以降はほぼ全員バラバラに戦闘することになるので絵コンテには相当な力量が必要とされる


↑彗&里奈コンビ




↑美三香シールド




↑海上にて甲洋VSウォーカー





↑上空にて零央VSアルヘノテルス型24体




↑海中にて芹VS超大型リヴァイアサン





↑ウォーカーさん腕ちょんぱ!終盤の問題シーンに繋がります




↑零央くん、アルヘノテルス型の重層シールドを突破しただけで、現時点では1体も倒していない




↑ここまでがAパート
極小サイズのグレンデル型がツクヨミ、アマテラス、マークノインを侵食(コレあとで問題のシーンに繋がります)



↓ここからBパート

↑剣司がツヴォルフとスサノオに催促する形で攻撃指令
零央くん、アルヘノテルス型を3体撃破
芹ちゃん、リヴァイアサン型の牙をひとつ同化




↑アルヴィスはリヴァイアサン型の牙が欠けたことで強引に振り払い、脱出に成功
全長60kmの巨体とここまで距離を開けるには、分単位の時間が経過していると考えられるが、秒単位の戦闘を繰り広げている他の戦場とマッチしていない




↑咲良が倒れたため剣司おこ スサノオに再び催促
戦闘機部隊のミサイル攻撃やスサノオのエンヤコラ攻撃にもへこたれないアルヘノテルスさん




↑おかしいですね 前のカットでは下半身までグレンデル型に侵食されてたのに、どうやって排除したの?




ツクヨミの超ウルトラスーパーデラックスシールド発動でアルヘノテルス型一網打尽
よく見ると左上の2体がフォーメーションから離脱して逃げようとしますがスサノオが追撃して撃破
結局スサノオが撃破したのは5体のみ(エンヤコラでは倒せなかった・・・)




↑アルヘノテルス型が全滅したので配下のグレンデル型も全て消滅
里奈の意識が飛んでいたようだが彗の呼びかけで覚醒し止めの砲撃
機体を侵食していたグレンデル型の消滅するさまを映さなかったので上記ツクヨミと同様違和感のあるシーンである




↑そして最後にして最大の問題シーン
かな〜り前にマークフィアーに腕ちょんぱされたウォーカーさんがミールを守りに出てくるのだが、
うん、キミたち今まで何してたの?
みんな死にものぐるいで戦ってたのに世間話でもしてたの?



見返すとよく分かるのだが、全戦場を満遍なく描写したため、重複する時間だらけになってしまっていて、スピード感が全くと言っていいほど無い
描写するべきシーンの取捨選択を放棄していると最初に書いたが、つまりはそういうことだ。



では描写しなくていいシーンとは何なのか
例えば、芹ちゃんVSリヴァイアサン型はもっと短縮できた
ぶっちゃけ「ちょうだい、あなたの命」さえ入れば、あそこまで詳細に描写する必要は無い
それと剣司の指示内容に意味が無いものが多い



剣司がスサノオに2回も催促をするのだが、そのせいで零央が無能に見えてしまう
視聴者的には「零央くん映ってない間何してたの!」って思うのが普通なのだが、実際にはほとんど時間経過していない



そして最後のウォーカーさんにはちょっと変な笑いが出たよ正直
見た感じ戦闘力は甲洋が上回っていたのだから、ミールを守りに出てくるときにウォーカーさんがズタボロになっていたりすれば違和感無く見られたのだが・・・



全てのキャラに見せ場を作りたいというのは分かるけど、本来表現されるべき緊張感やスピード感をスポイルしてまでやることではない
画面に映っていない間は映っていないなりのことをしててほしい
それをうまく表現するのが絵コンテや演出の仕事
鷲尾直広、矢薙じょう、矢野孝典の3人は最高に盛り上がるはずの回を任せられておきながら満足な結果を出せなかった
絵コンテ、演出経験の浅い人間に終盤の重要な回を任せてしまった制作陣は反省してほしい
ウォーカー戦終了後に関しては問題無いです









.