道を誤ったかソニー。

ソニーPS3戦略はもはや建て直しが絶望的。発売前の値下げが致命傷となってしまった。あのとき、値下げではなく値上げをするべきだった。下位機種は99,800円、上位機種は構成をさらにグレードアップした上で129,800円程度にするべきだった。さらに言うなら、本体発売当初はゲームを発売せず、ただのブルーレイディスクプレーヤーとして発売するべきだった。
発売当初は一台あたり35,000円の赤字だという。量産効果でだんだん部材コストは下がるとはいえあまりにも無茶な価格設定だ。PS2の場合、現段階では一台あたりのゲーム販売本数は6本らしいが、PS3ではさらに減ると見られている。初日に購入した10万人のうち、本体のみでゲームを買わない人がかなりいたらしいし、アマゾンやオークションで10万〜20万で売りさばく転売屋が山といるところを見ると、同時発売のゲームに対する期待は低い。需要と供給のバランスを完全に読み違えている。たとえ上記の価格に値上げしたとしても10万台なんてあっという間に売れたはずだ。ただのブルーレイディスクプレーヤーと考えても、HD-DVDプレーヤーと十分に匹敵する。5万円では安すぎて自社の普通のブルーレイディスクプレーヤーとのバランスも全く取れない。他メーカーならなおさらだ。最も重要なことは発売後に値下げするのは簡単だが、値上げするのは至難の業だということだ。今まで値上げをしたゲーム機など見たことがない。年内の生産台数は知れているのだからバカ高く設定してマニアと金持ちに買わせていれば良かったのだ。大多数の人はしばらく買えないのだから企業イメージに影響は無い。むしろ生産が軌道に乗って潤濁に供給できるようになってから大幅値下げすれば必ず売れる。
もっと言えばそもそも発売延期するべきだった。1年ぐらい。そして念願のソニー製OS(OSXのような)をちゃんと開発し、最初からパソコンとしての機能を使えるようにして、格安の高性能パソコンとして売り出せば、きっと売れる。
なぜソニー製品は高性能なのに売れないのか?それは発売前と発売後のギャップが大きすぎるからだ。PSXPSPも発売前は何でも出来るなどと喧伝されていたにもかかわらず、結局使い物になるには発売後に何度ものバージョンアップを待たなければならなかったり、HDウォークマンに至っては、さも「今まで誰も思い浮かばなかった機能」を搭載などと宣っていたが、結局誰も見向きもしなかった。任天堂ならば中途半端な物は発表しないし、いくら金を注ぎ込んでいようが、任天堂が認めるクオリティに達しなければ発売しない。任天堂はそれが出来る会社だ。ソニーには無理。だがもう後戻りは出来ない。ソニーグループのお荷物といわれようが、さらに金を注ぎ込み低消費電力のCellと独自OSをVAIOに搭載できるようになるまで開発を続けるしかない。打倒ウィンテルを宣言しているのだから。