松下・ソニーが撤退した電子書籍市場に舞い降りた救世主、それはApple!

iPhone3Gは基本料金大幅値下げで日本でも大ヒットが確実となったが、アップルの次なる製品を予想してみる。
タブレットMacBook、つまりは大型のiPhone・touchである。
OS:通常のOSXiPhone OS2.0のカスタムOSX
iPhone・touchに準ずるセンサー類、ステレオスピーカー
ディスプレイ:7〜10インチMulti-Touchディスプレイ+ペンタブレット機能
端子類:MagSafe電源コネクタ/USB×1/オーディオ出力/HSDPA カードスロット
ドライブ:32GB SSD
通信機能:IEEE 802.11nBluetooth 2.1+EDR
そしてこの新型Macにはネットワークストレージを提供し、バックアップが自動保存され、なおかつiTunesiPhotoライブラリに限り保存容量は無制限。
ネットワークストレージへのアクセスは通常無線LANを介して行うが、オプションでHSDPAのデータ通信カードを契約すればどこでも常時接続可能。

まさに夢のマシンだ。
マルチタッチとペンタブレット機能の同時使用が出来れば究極のグラフィックマシンと化す!
App StoreのアプリケーションがMacで使えないことに理不尽な思いをしている人は多いと思うが、こういうマシンが出てきたら条件はクリアだ。

個人的にApp Storeで最も期待していることは、実は電子書籍だったりする。今まで一度も成功しなかった電子書籍だが、アップルはこれまでの電子書籍の問題を一瞬にして解決した。
既に世界で700万台以上という圧倒的なインフラ、革新的なハードウェア、そして革新的なアプリケーション(コンテンツ)販売方式。全て揃った。成功しない理由が無い!

iPhoneで読む講談社コミック 読書方法
報道用画像
完璧です講談社。これだよ!これを待っていた!ただ価格はいただけない。高すぎです。リアル書籍の3割以下の価格にならないと普及は望めない(現状はリアル書籍の8割以上)。リアル書店をぶっつぶす気概で望んでもらいたい。
App StoreでSONORAN BLUEというメーカー?から出ている電子書籍ケロロ軍曹など)は、セルシスiPhoneiPod touch向けに開発した電子コミックビュワーを採用しているらしく、表示が一コマ単位でふざけた仕様なので即刻退場して頂きたい。iPhoneの何を見てるんだあんたらは。一般携帯電話畑へ帰れ。)
週刊ジャンプなどの大手週刊誌の最新号がアップされて、自動配信されるようになってきたりしたら大変なことになる。
App Storeのブラウズシステムももっと改善してもらわないと。
インフラは整った。あとは出版社の覚悟だけだ!
大型のiPhone・touchでの電子書籍、もうワクワクです。

リアル書店をぶっつぶす気概で」と言ったが、多少は縮小するだろうが無くなるわけではない。真っ先に電子書籍化するべきなのはコミック・単行本ではなく当然雑誌(コミック・単行本化を前提としたもの)だ。雑誌は書店にとって最も重要な稼ぎ口なので、これが減少するという事はその分書店も縮小するという事だ。
次にコミック・単行本だが、これは100%App Store共存可能だ。リアル書籍は部数が多くなればなるほどスケールメリットで利益が上がり、App Storeは売り上げが少なくても確実に利益を確保できるシステムだ。逆に言えば、リアル書籍は少部数では利益は無い、むしろ赤字となる。なぜなら刷った部数分の印税は著作者に支払い、売れ残って返本されてきた分は裁断しなければならない。App Storeの場合は、たとえ大ヒットしてもマージンが一定でスケールメリットが無いのでリアル書籍程の利益にはならない。
つまりはApp Storeでの販売比率が高まると、不採算部分が減少する代わりに、売れ筋からの利益も減少する。ただし、これはあくまでリアル書籍・App Store合計で現状と同じ部数しか販売できなかった場合の予測である。
出版社がやらなければならないのは、いかにしてリアル書籍と電子書籍、両方を買わせるかということだ。ハッキリ言おう。私は買う。特に好きな本は両方買う。逆に電子書籍を試しに買って、良い本ならリアル書籍も買う事だってあるだろう。ただし、先にも述べたように現状の価格では高すぎる。iTunes Storeのレビューを見なさい。内心だまされたと思っている人がたくさん居る。それぐらい講談社は法外な値付けをしている。事業がスタートしたばかりで初期費用がかかるのは解るが、あの価格では現状の出版業界の体勢維持を優先し、電子書籍はやる気が無いと言っているようなものだ。この問題は消費者だけの問題ではない。
現状のラインナップは基本的に新作ではなく、過去の人気作品の2次利用のような体裁となっているが、著作者への印税はどうなっているのか?ちゃんとリアル書籍と同等の印税が支払われているのか?この点は電子書籍において重要な問題だ。もし電子書籍だからといって印税が減らされるとしたら、それは間違っている。リアル書籍も電子書籍も一冊に変わりはないからだ。出版社側からしたら出版社の利益が減るのだから印税も減って当然と言うだろうが、電子書籍には出版社側のリスクが全くと言っていい程無い。不良在庫も、販売機会損失も無い。だから著作者にはリアル書籍と同等の印税を支払う義務がある。(補足:リアル書籍と同等の印税とは。リアル書籍の印税は一般的に定価の1割と言われている。500円の本なら50円。電子書籍でもリアル書籍と同等の1冊が売れたら50円著作者に支払う。電子書籍の販売価格は関係無い。つまり電子書籍の価格を先に述べたリアル書籍の3割に設定したら、リアルで500円の本ならApp Storeで150円。1冊売れたらAppleに45円、著作者に50円、残り55円が出版社の取り分となる。)
考えてみてほしい。もし現状の価格でこのまま行けば、出版社側ばかりボロ儲けをしている事が広く知れ渡ることになる。そうなれば大物著作者たちは軒並み自分でApp Storeに作品を出品し始めるだろう。それができるのがApp Storeだ。出版社はそのことを肝に銘じておけ。